インタビュー「戦略的インフラとしてデータセンターを再定義せよ」米ガートナー デイヴィッド・カプッチオ氏

SNIA 取締役会会長
米ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼最上級アナリスト
デイヴィッド・カプッチオ氏 David J. Cappuccio

ガートナーのインフラストラクチャチームを率いながら、データセンターの設計/設備更新/建設/コスト・モデル、データセンターの未来、電力/冷却、グリーンIT、データセンター統合/移行戦略にかかわる調査を担当。財務サービス、IT運用、市場調査、経営コンサルティングを含むテクノロジー領域全般で43年間にわたる広範な経験を持つ。

ユーザーニーズとICTトレンドの遷移に伴い、データセンターが担う役割や機能が大きく変わりつつある。グローバルのデータセンター市場を長年注視し分析してきたエキスパートは、今の動きをどう見ているのか。2015年5月26~28日、東京都内で開催されたガートナー ITインフラストラクチャ&データセンターサミットの基調講演に登壇した同社のデイヴィッド・カプッチオ氏に聞いた。

interview:河原 潤(本誌編集長) text:柏木恵子 photo:赤司 聡

IoTがデータセンターの仕組みに与える影響は限定的

――データセンターへのニーズの前提として、企業や個人を取り巻くデータに関して今、どのようなことが起こっているのでしょうか。

カプッチオ●データの量的な増大はとどまるところを知らない。ガートナーの予測では、従来型のデータは年率50~60%で増え続け、5年後にはおそらく800%の成長を示すことになるだろう。さらに、センサーログのようなIoT(Internet of Things)で発生するデータが加ってくると、ケタが5桁ほど増えるかもしれない。

――IoTがメガトレンドとなっています。このムーブメントをどうとらえていますか。

カプッチオ●IoT自体は、企業の中で使われるようになって10年以上経っている。工場などの生産現場におけるプロセス自動化は典型例だ。全般にIT活用の取り組みではなく、業務効率改善の取り組みと見なされてきた。

 近年はリモートセンシング技術やセンサーから取得したデータ解析技術の進歩はめざましく、それがIoTの適用領域を大きく広げていった。

 例として、医療業界での活用を挙げよう。例えば、入院患者のベッドに、モーションセンサーを付ければ、看護師は、患者の容態を24時間切れ目なく把握できるようになる。単に寝返りを打っているのか、それとも何か異変があって苦しんでいるのか。そういったことが技術的に正確に分かるようになったことで、医療サービスの品質が大幅に向上する。

 また、看護師がセンサー付きのIDカードを持つことで、業務中、どのタイミングで手を洗ったり消毒したりしているのかを正確に可視化できる。これは、訴訟問題が発生した場合に、正しいプロセスを踏んでいたのかを後から確認するのに役立つ。こうしたリスク管理でも活用が可能なわけだ。

 これまで、センサー技術や取得したデータは事後検証に利用されることがほとんどだったが、IoTの今後の進化の方向として、よりリアルタイムな検証に用いられるケースが増えていくだろう。データを取得してからその場で、ミリ秒単位で処理しなければ意味がないといった状況を想定している。

――データが生成された現場でただちに処理される必要があると。その際、データセンターの使われ方はどうなるのでしょう。

カプッチオ●センサーで取得したデータを逐一データセンターに送って処理するのではなく、センサーの近くで分散処理を行い、マクロレベルの解析結果のみが中央に送られる仕組みになるだろう。今後、IoTの適用領域がさらに広がって、さまざまな分野・種類のデータが取得されるようになっても、中央に送られるデータは全体の一部に過ぎず、データセンター自体に与える影響は限定的だと見ている。

――そうしたエッジでの処理や中央のデータセンターに送る仕組みの構築は、IT部門あるいは外部のプロバイダーが用意すべきなのか、それとも、エンドユーザーが自ら用意するものなのでしょうか。

カプッチオ●だれがデータのオーナーで、実際にだれがそのデータの責任を負うのかという問題があるだろう。初期段階では、処理や格納に責任を負うのはユーザーの側だと思う。というのも、センサーやデータ解析の活用といった事業部門の需要は急を要しており、IT部門が動くのを待っていられないからだ。一方で、今のIT部門は、現状のインフラのオペレーションを維持することで精一杯だ。IoTの活用が進展するにしたがって、やはりIT部門が処理や格納を担っていかなければならないだろう。

――センサーで取得したローデータをその場でリアルタイムに処理するとして、その後のデータ保管に関するポリシーをどう決めればよいのでしょう。もちろん、すべてを保管できないと思いますが。

カプッチオ●これといった標準的なポリシーがあるわけではない。集めたローデータが、その企業にとって1時間後にもクリティカルな意味を持つものであれば保存すべきだし、そうでなければ廃棄してもよいのではないだろうか。

 説明したように、現状のIoTは、データセンターの外側で処理・活用されているケースが多い。だがそれは、IoTデータを中央のデータセンターで処理・活用するためのツールが存在しないかもしれないし、ふさわしい解析方法が見つかっていないからかもしれない。他のアナリストも、IoTが進展してもデータセンターで保管するデータ量が大きく変化することはないという見解だが、実際、5年後にどうなっているかは読みにくい。

 留意しなくてはならないのは、この先事業部門がやりたいと思っているビジネスに、今の段階からIT部門がしっかり関与しておかないといけないということだ。それができていないと、2年後にIT部門が蓋を開けてビックリということになりかねない。

 例えば、近い将来、街の至る所に設置された監視カメラのデータから、車のナンバープレートやドライバーの特定が簡単に行えるようになったとしよう。それを見て、ビジネスに使いたいと急に言われても、実装する側としては困ってしまうだろう。

IT部門主導でデータセンターを再定義すべき理由

――IoTやモバイルファーストなどの動向を踏まえて、データセンターはこれからどうあるべきだと思いますか。

カプッチオ●最近、SDDC(Software Defined Data Center)やインテリジェントデータセンター、あるいはインテグレーテッドデータセンターといった次世代ビジョンの行方をよく質問される。1つ確実に言えるのは、今後、企業は自社で運用するオンプレミスのデータセンターで、ビジネスの機能をすべてサポートしようとするのは不可能だということだ。

 今起こっているコンピューティングの広がりを考えれば、各事業部門のビジネスをサポートするのに、ホスティングやコロケーション、パブリッククラウド、ホステッドのプライベートクラウドなどを適材適所で活用することになるはずだ。単にデータを集めて一 元管理する場所という、従来の概念とはかなり違ったものに変化していくことに留意しなくてはならないだろう。

 最近、いくつかのベンダーがSDDCという言葉を使いたがっているが、ガートナーでは、データセンターがこれから先に進むべき道として、「Enterprise Defined Data Center(EDDC)」を掲げている。

 これはつまり、データセンターという言葉の定義を、今後、IT部門が主導権を握りながら再定義していくという考え方を示すものだ。

――近年は事業部門がITを駆使してみずからのビジネス向上を図る動きが活発ですが、基盤を刷新していくのはやはりIT部門しかいない、と。

カプッチオ●特に、クラウドサービスの活用で事業部門が決定権を握るケースが増えている。IT部門は、既存のオンプレミスのシステムを管理しなければならないうえに、新しく台頭してきたシステムにも対応していかなければならない。

 そんな状況になってIT部門は、事業部門からの要求に従っているばかりでは、すべてにきちんと対応しきれなくなってきたことを問題視するようになった。この問題に対し、そろそろ白黒をハッキリさせる必要があることに気づき始めたわけだ。

 事業部門の声もある程度聞き入れながら、全体では、従来のシステムと共に新しいシステムも取り込んでいく。こうした方向にデータセンターを再定義する必要が生じている。IT部門がすべてを管理する必要はないが、すべてをしっかり把握することは欠かせないということになる。

EDDCではすべての要素が全体で管理される

――EDDCの基本的なコンセプトについては理解しました。実現にあたっての具体的な要件はありますか。

カプッチオ●私がIT部門でデータセンターの運用責任者をやっている仮定で話そう。レガシーアプリケーションの運用のためにオンプレミスのデータセンターを運用管理しているが、一方で、ある事業部門からは、より柔軟で俊敏なアプリケーションを稼働させるためにAWSを使いたいという要求が寄せられ、他の部門は別のパブリッククラウドを使いたいと言ってきている。さらに別の部門はオンプレミスのシステムを立ち上げたいが、自社のデータセンターでの構築を待っていられず、コロケーションでやりたいと言ってきている。考えただけでも大変だが、こうして異なる種類のインフラを同時に存在させるのがIT部門の役目ということになる。

 これまでだと、各事業部門から言われるまま、個別にインフラを用意してきたと思う。そうなると、IT部門が全体を掌握するのは不可能だ。我々がEDDCと呼ぶのは、すべての要素をIT部門がしっかり掌握できるデータセンター環境のことだ。複数の拠点があり、複数の技術を採用していても、全体でデータセンターであるととらえられるような環境だ。そのためには、物理的なファシリティとしてのデータセンターではなく、すべての要素を包含した、1つの論理的なデータセンターとしてとらえられるようにする必要がある。その際、データセンターの運用責任者は、全体を統合したうえで、各部門に対するすべてのユーザーエクスペリエンスに責任を持つことになる。

――1つの論理的なデータセンターという見方は、SDDCにも通じると思いまずが。

カプッチオ●いや、それは別のレイヤの話になる。SDDCを提唱しているベンダー、例えばヴイエムウェアの言うSDDCは、データセンター内の要素を1つのソフトウェアプラットフォームで管理することで、同社のユーザーの利便性を追求するというモデルだ。それに対してEDDCは、ベンダーや技術に関係なく、オンプレミスでもパブリッククラウドでもハイブリッドクラウドでも、すべてを包括して「我が社のデータセンター」ととらえ、IT部門が戦略的なマネジメントを遂行可能になった状態のことを指す。具体的なツールがないので分かりにくいかもしれないが、ベンダー/技術非依存で横串を通すものだと考えてほしい。現状、それができずに苦しんでいるIT部門がたくさんある。

――社内でVMwareを選ぶ部門もあれば、AWSやOpenStackを選ぶ部門もある。そんな異種混在環境に横串を通して全体でガバナンスをとり、ユーザーエクスペリエンスに責任を持つのがEDDCということですね。

カプッチオ●そういうことだ。ガバナンスやコントロールはきわめて重要だ。これまで、IT担当者は、ハードウェアやソフトウェアなどの物質面にのみ戦略を見出していて、データセンターの論理的な側面には注意を払ってこなかった。まずはそれを改善しなければならない。データセンターにつながっているすべての要素を自社のIT戦略下に取り込む必要があるのだ。SDNやSDDCは特定技術の話がメインになってしまう傾向にあるが、これからはさまざまなITをいかにコントロールするかの話になっていくだろう。

単なるDRではなくサービス継続性確保に重きを置く

――これからのデータセンターの最重要課題の1つにITサービス継続性を挙げています。既存の取り組みではまだ不十分なのでしょうか。

カプッチオ●ここ数年の間に世界各地で大規模な災害が起こった。企業が被った損害の状況から、データセンターがこれまで行ってきたDR(災害復旧)の施策は無駄だったのではないかという疑念の声が高まってきている。せっかくDRサイトを作っても、そこに赴くまでの道路が通行止めになっていたり、必要な燃料が供給されなかったりしたら意味がないわけだから。

 これからは、DRではなく、サービス継続性により重きを置くべきだろう。ビジネスの中には、1秒でもサービスがダウンしたら、信用を毀損したり、金銭的損失を被ったり、最悪人命にかかわる類のものもある。こうした24時間365日の連続稼働が前提のクリティカルなサービスに対応したデータセンター戦略の策定が急務だ。

 現に、ホスティングやコロケーション中心のデータセンター事業者の間では、データセンター自体に価値があるのではなく、複数のデータセンターをつなぐ安定したネットワークにそこ価値があるというように、考え方が見直されるようになってきている。

 例えば、重要なアプリケーションを、ビジネス上のリスク管理に合わせて、あるロケーションから別のロケーションへと容易に移動できるとか、24時間連続稼働が必要なサービスを複数拠点でロードバランスさせながら稼働し、1つの拠点がダウンしても別の拠点で難なくサービスを継続提供するといったことがすでに始まっている。

 最近ではさらに進んで、クラウド事業者とコロケーション事業者が連携して付加価値を持つサービスを提供する動きも盛んだ。マイクロソフトの場合、全世界19拠点のそれぞれが各国ローカルの事業者と組み、Azureの閉域網接続サービスを提供している。こうして1社では実現できなかった、地球を1周するような継続性の高いサービス提供が可能になった。

――2拠点間の単純なDRシステムでは、今のビジネス要件を満たせないケースが増えており、マルチクラウドやトポロジーを組んだネットワーキングによってノンストップのサービス継続性を確保すべきだと。

カプッチオ●複数のDRアプローチが考えられるだろう。24時間365日の連続稼働が求められるクリティカルなサービスに関しては、今説明したような仕組みが欠かせない。一方で、RTO(目標復旧時間)が24時間あるいは48時間のサービスであれば、従来型の対策でも十分だと思う。今では、DRを一手に引き受ける専門の事業者も増え、DRaaS (Disaster Recovery as a Service、図1)も登場している。これらも含めて、RTOごとに使い分ければよいだろう。

図1:マイクロソフトのDRaaS「Microsoft Azure Site Recovery」の概念図(出典:米マイクロソフト)

「2つの流儀のIT」でビジネスに貢献する

――近年のIT部門には、経営に直接的に貢献しうる“攻めのIT投資”が強く求められていますが、現実には、ITインフラ/システムの整備や運用管理・保守、セキュリティといった“守りの投資”に忙殺されているのが実情です。現状を打破するには、どんなビジョンが必要でしょうか。

カプッチオ●今、IT部門の眼前には2つの相反する課題がある。1つは言わずもがなで、既存のビジネスをしっかり守ること。先に述べたEDDCの考え方も取り入れながら事業継続のためのインフラを整え、ビジネスのコアを担うアプリケーションの安定稼働を支えなくてはならない。その際には、ITILやバージョン管理なども採用し、ITの構成変更を正確に把握・管理できる環境を保つことも大事だ。

 もう1つは、事業部門やビジネスのイネーブラーにならなくてはならないという新しい課題だ。市場がめまぐるしく変化する中、新規ビジネス創出アプリケーション開発といった事業部門からのニーズに迅速にこたえて、ビジネスに貢献していく動きだ。こちらは、1つ目の課題とは背反するものだが、これからのIT部門は「2つの流儀のIT(Bimodal IT)」を巧みに取り入れて両方にあたっていくというのがガートナーの考えである(図2)。

図2:「2 つの流儀」のIT(出典:ガートナー、2015年5月)

 すでに優秀なCIOたちは、両方のITに適切な策を講じることで、ビジネス機会獲得に貢献していけることに気づいている。IT部門がこれまで守りのITに注力せざるをえなかった一方、市場競争を勝ち抜くにあたって、事業部門は新規のITに是が非でも取り組まねばならない。そこにIT部門がしっかり関与しなければ、ITとしてのコントロールをまったく失ってしまう。それは絶対に回避しなくてはならず、2つの流儀のITでことにあたる必要があるのだ。

来るデジタルワールドに最新のデータセンター戦略が必要な5つの理由

米ガートナーは2015年4月15日、企業・組織に向けて「最新のデータセンター戦略が必要な5つの理由(Five Reasons Why You Need a Diff erent Data Center Strategy for the Digital World)」を発表した。背景には「力の結節(Nexus of Forces:クラウド、ソーシャル、モバイル、情報/ビッグデータの強固な結び付き)」やIoT(Internet of Things)の台頭で出現した新たなデジタルワールドの実態があるという。

text:データセンター完全ガイド編集部

 「力の結節とIoTの両方のインパクトにより、新たなデジタルワールドが出現したことで、データセンターの特性、構造、役割を変えなければビジネスの俊敏性と競争力が損なわれることになる」。こう語るのは、米ガートナーのマネージングバイスプレジデント、ラケッシュ・クマール(Rakesh Kumar)氏だ。

 データセンターは40年以上にわたってITエコシステムの中心的な役割を果たしてきた。クマール氏によると、この間、消費電力・冷却に関する技術や、施設・設備の設計施工などが変化した一方で、データセンター自体の基本的な機能やコアとなる要件、すなわち高レベルの可用性と冗長性、明確に文書化された強固な変更管理のプロセス、従来のベンダー管理手法やセグメント化された組織構造はほぼ変わっていないという。

 「こうしたアプローチはもはや今のデジタルワールドには適していない」とクマール氏は述べ、より適切でモダンなデータセンター戦略を開発する必要が生じていると指摘する。以下、ガートナーが発表した「最新のデータセンター戦略が必要な5つの理由」の概要を示す。

(1)データセンターを工場や研究所のように機能させる

 2020年までに、インターネットを利用するユーザーと企業は70億を超え、インターネットに接続するデバイスの数は350億に迫る勢いだ。これによって、データセンターが取り扱わなければならないデータのスピードと量は飛躍的に増大する。このため、データセンターは、常に増加する業務量に合わせて製造ラインをスケールアップしていくことができる“理論的な工場”として機能する必要がある。

 また、膨大なデータ量の中でアプリケーションを接続し、質の高いリアルタイムの分析ができる環境も提供しなくてはならない。このため、データセンターの一定の部分は研究所のように機能し、膨大なデータの海を高い精度で分析して、ビジネスに活用できる知見とアクションを提供する必要がある。

(2)俊敏性と応答性を実現し、2つの流儀のITに対応する

 デジタルビジネスをきっかけに出現した破壊的環境は流動的で止まることがなく、ITサービスの提供に大きな変化をもたらしうる、非常に大きなイノベーションを生む可能性を有している。このような急速な変化に対応し俊敏性を備えると同時に、プロセス主導で既存のシステムの統合と安全性を維持するために、多くの企業が「2つの流儀のIT(Bimodal IT)」をもってITを運用し始めている。

 ITサービスを提供するコアエンジンとして、データセンターはかつてないレベルの俊敏性と応答性を実現して、2つの流儀(モード)に対応することが強く求められている。継続的な安定とは別に、管理された変化と革新へのメンタリティとアプローチがなければ、データセンター責任者はその価値を証明することが難しくなるだろう。

(3)タイプが異なるリスク管理を実現する

 デジタルビジネスでは、膨大な数のデバイスがインターネットに接続し、データセンターがこれらの接続の集約点になる。以前より、データセンターはリスク管理に注力してきているが、通常、リスクと言えばダウンタイムやシステムの可用性、アプリケーション中心の不正アクセスなどに関連したものだった。

 しかし、デジタルワールドに適したデータセンター戦略では、リスク管理への重点を幅広いアプローチに置く必要がある。デジタルワールドにおける多くのビジネストランザクションにとってもう1つの重要なリスクは、エンドツーエンドのトランザクションを実行する上で、その可用性とパフォーマンスのサービスレベルに責任を負う単一の事業体がないことだ。これによって、従来とは大きく異なるサービス保証の課題が浮上する。

(4)データセンターを広範なハイブリッドトポロジーの一部にする

 従来、IT支出はITサービスを提供するデータセンターを有するIT部門を通じて行われてきたが、この状況にも変化が訪れている。現在、IT支出全体の38%がIT部門以外で発生しており、大きな割合がデジタルプロジェクトに投じられている。

 さらにこの支出は、2017年までに50%以上に達するだろう。事業部門は自社のデータセンターの対応が遅い、あるいは新しい技術に対してオープンではないと感じた場合、クラウドや外部のサービスを利用する。このため、インフラ運用責任者は、社内のデータセンターがより広範なハイブリッドトポロジーへ接続できるように取り計らわなければならない。

(5)新しい技術を異なる方法で管理する

 データセンターでは、デジタルワールドがもたらす新しい技術を異なる方法で管理する必要がある。一端ではスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが存在し、それらのソフトウェア構成、標準化された運用環境、セキュリティパッチなど、データセンターでの運用面のマネジメントが必要になる。

 これと同時にサーバーやストレージ、ネットワーク機器といったハードウェアも進化し、データセンター責任者は調達・管理・サポートの各戦略の見直しに迫られることになる。

 また、ベンダー/事業者との関係も変化する。デジタルワールドによってベンダー環境および技術の様相が変わっており、インフラ運用責任者はITサービスの提供戦略も見直さなければならなくなるだろう。

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