Google、スケールアウトで性能を伸ばせるRDBMS「Cloud Spanner」の本サービス提供開始

データセンター完全ガイド編集部

 Googleは2017年5月16日(米国時間)、パブリッククラウドサービス「Google Cloud Platform」のメニューの一環としてリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の機能を提供する「Cloud Spanner」のサービス提供を始めた。2017年2月からパブリックベータ版としてサービスを提供していたが、今回は正式提供となる。

 Cloud SpannerはOracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverのように、事前に構造を決めたテーブルにデータを格納していくデータベース。テーブル同士の関係(リレーション)を設定することや、ACID(Atomicity:不可分性、Consistency:一貫性、Isolation:独立性、Durability:永続性)トランザクションにも対応する。さらに、標準SQL言語を使用できる(ANSI【American National Standards Institute:米国規格協会】などが2011年に規格化したもの)。Java、Go、Python、Node.jsに対応するデータベースドライバのほか、JDBCドライバを用意しているので、アプリケーションのプログラムに手を入れることなく、Cloud Spannerを利用できるという。

 Cloud Spannerではデータの一貫性を完全に保証し、可用性は99.999%に達するという。GoogleはCloud Spannerを、企業のOLTP(Online Transaction Processing)処理にすぐに利用できるとしている。

 従来、RDBMSの処理性能を上げるには、サーバーの性能を引き上げる、あるいはより高い性能のものに入れ替える「スケールアップ」しか方法がなかった。しかし、Googleなどのパブリッククラウドサービスでは、ネットワークでつながった複数のサーバーで分散処理をすることで性能を引き上げる「スケールアウト」を前提にハードウェアを構成している。そのため、データベースサービスとして提供できるものは、Key/ValueストアやNoSQLなど、スケールアウトで性能を伸ばせるが、データの一貫性は保証できないものがほとんどだった。

 Amazon RDSのようにRDBMSのサービスをクラウドで提供する例もあるが、使用開始時にハードウェア構成を決めてから使うものだ。性能が落ちてきたら、データのバックアップを取り、より性能の高いハードウェアにデータを移行させる必要がある。

 Cloud Spannerはほぼ完全なRDBMSの機能を提供しながら、スケールアウトで性能を伸ばせるようになっている。アクセス数が増えてきて性能が落ちてきたと感じたら、管理コンソールで、Cloud Spannerのノードを増やすだけでよい。データの一貫性を保証するRDBMSと、スケールアウトで性能向上を可能にするNoSQLの良いところをそれぞれ取ったようなサービスだ。

図:Cloud Spannerが持つ機能を、RDBMSやNoSQLと比較した表(出典:Google)

 Cloud Spannerの利点はもう1つある。複数のノードを使うように設定するだけで、データベースのレプリカができるという点だ。Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverも耐障害性を上げるために、「データベースレプリケーション」などの機能を用意しているが、いろいろ制限がある上に、レプリカを作るためのサーバーをさらに用意しなければならないなど、気軽に使えるものではなかった。Cloud Spannerなら、複数のノードを動かしておくだけでそれぞれのノード間で自動的にデータを同期するので、簡単に冗長化構成を作ることができる。

 Cloud Spannerは現在、us-central1(アイオワ州カウンシルブラフス)、europe-west1(ベルギー、サン・ギスラン)、asia-east1(台湾、彰化県)の3つのリージョンで提供している。現在のところ、複数のノードを動かすとしても、同一リージョン内で動かすことになるが、Googleは近日中にほかのリージョンにまたがった構成も可能にするとしている。利用料金は1ノード当たり1時間につき90セント。ストレージはフラッシュストレージのみを用意している。使用料金は1Gバイト当たり月額30セント。


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