KCCS、データセンターサービスに仮想化技術を用いたオンデマンドサービスを提供

京セラコミュニケーションシステム(以下KCCS)は、データセンターの新たなサービスとして、2008年10月1日よりオンデマンドサービスを開始すると発表した。まずは東京第1データセンターでサービスを開始し、順次他のデータセンターにも展開する。KCCSのデータセンターサービスは、単なるハウジングに留まらず、フルマネージドサービスを提供することが特徴だ。そのフルマネージドサービスのなかで、オンデマンドサービスによりさらなる俊敏性をビジネスに提供する。

仮想化技術を活用したオンデマンドサービス

川合 直樹氏
プラットフォーム事業本部
企画課長
川合 直樹氏

KCCSのデータセンターサービスは、ホスティングレイヤだけでなく、その上位層のシステム開発やBPOまでを一体化したサービスを提供可能な体制を取っている。なぜこのような体制をとっているかといえば、顧客にサービスを提供する際に、各レイヤ間の連携を密接に関係づけることで、高品質なサービスを提供するためだという。加えてセキュリティサービスを貫くことで、競争力を高めてきたという背景がある。

今回のオンデマンドサービスは、これまでの一体化したフルマネージドサービスに組み込まれ、IT基盤をサービスとして提供することを目的としている。図1を参照していただくと分かるように、フルマネージドサービスとして垂直的にレイヤ間を統合していくものと、IT基盤をサービス化していくという2つの方向性を備えている。

サービスの全体構成
図1 サービスの全体構成

今回提供される「オンデマンドサービス」について、プラットフォーム事業本部の川合氏は「ハウジングだけではお客様にハードウェア機器をデータセンターに持ち込んでいただかなければなりませんが、弊社ではサービスのレイヤを上位に展開しているので、アプリケーションやビジネスモデルさえ持ち込んでいただければ、サービスを展開できます。今回のオンデマンドサービスは、これをさらに一歩推し進めて、これまで場所や機器、管理面での制約からお客様を解放し、より柔軟なサービスの提供が可能になります」と説明する。

オンデマンドサービスの市場ニーズ

秋枝 正治氏
プラットフォーム事業本部
データセンター事業部長
秋枝 正治氏

1990年代のコンピュータシステムは、ハードウェアの低価格化と情報量の増大に後押しされてスケールアウト化が急速に進んだ。その結果、ITインフラストラクチャの複雑化、運用管理コストの増大、運用効率の低下などを招いたのは周知のとおりである。また一方では、ITをビジネス戦略上の有力な武器としてとらえ始める企業が登場し、「システム稼働状況の可視化、ITへの投資対効果の明確化」「加速するビジネススピードへのITの適応」といった要件も満足させなければならなくなっている。

90年代に分散化したシステムの集約化は、いずれの企業も取り組んでいる課題である。ハードウェアの性能、機能向上や仮想化技術の広がりといったアーキテクチャの進化によって、企業がシステムを高集約化し、仮想化ソフトウェアを導入すること自体はそれほど難易度の高い課題ではない。ただし、将来的なビジネスやシステム運用管理の継続性となると、「本当にITリソースを有効に活用していけるのか」「維持・管理していくことが可能なのか」という点ではまだ課題が残されている企業も多い。たとえば、以下のような点をクリアできるIT部門はどれだけあるだろうか。

  • ・システム的には仮想化の向き不向きの判断
  • ・シビアなキャパシティプランニングとリソース管理
  • ・仮想化に精通したエンジニアの育成
  • ・コストメリットを享受するにはある程度の規模が必要

サーバー仮想化には、可用性の向上、DR/フェイルオーバーへの対応、運用効率の向上など、確かに数多くのメリットはあるが、その恩恵を享受するうえで必要となる条件も少なくない。同社の「オンデマンドサービス」は、顧客のサーバー仮想化への垣根を取り払い、フルマネージドサービスと一体化したIT基盤を提供する。

オンデマンドサービスの概要

松木 憲一氏
取締役
プラットフォーム事業本部長
松木 憲一氏

「オンデマンドサービス」は、オンデマンドサーバーとオンデマンドストレージの2つのサービスで構成される。顧客のニーズにより、サーバーのみ、ストレージのみ、サーバーとストレージの両方といった組み合わせが可能だ。オンデマンドサーバーでは、OSにはWindows、Linuxから選択可能で、各種ミドルウェアまでサポートされる。また、CPU数についても顧客の利用状況に応じてベストエフォートで自動的に拡張が可能となる。

オンデマンドストレージでは、ストレージ容量として100GB~2TBが利用可能。基本容量は100GBで提供され、100GB単位での従量課金となる。(100GB以下の容量提供についても個別に相談に応じる)。なお、オプションサービスとして、NAS、バックアップ(スナップショット、レプリケーション)も提供される。

特徴的なのは、CPUの従量課金制に通常のピーク課金ではなく、顧客のリソースの使用量に応じて課金する時間課金制を採用していることだ。一般的なCPUの使用率を見ると、安定したサーバーでは平均すると20%以下の使用率で推移する。これをさらに細かく見ていくと、CPUの使用している時間というのは、1秒間のうち0.2秒程度しかなく、顧客からすると0.8秒は無駄になっている。そこでKCCSでは、実際のCPUのリソースの使用状況を踏まえて、顧客が本当に使っている部分に課金するという価格体系を採用した。たとえば、月間平均CPU使用率が25%の場合だと、月額費用は、5万7000円となる。これにオンデマンドストレージの月額費用2万5000円(100GBまで)を加えても、8万2000円にしかならない。

提供価格(※サービス内容によって異なる)

初期費用:5万円~
月額費用:3万円~
従量課金150円~(1時間あたり)

月間平均CPU使用率:25%
→CPU時間:180時間の場合
月額費用:3万円+CPU従量課金費用:2万7000円=5万7000円

表 提供価格
メニュー
提供価格(税抜)
オンデマンドサーバー
初期費用:50,000円~
月額費用:基本料金 30,000円~
従量課金 150円~/CPU時間
オンデマンドストレージ
初期費用:50,000円~
月額費用:従量料金 25,000円~

ビジネスの俊敏性とシステムの柔軟性を提供

サーバーの仮想化にはさまざまなメリットがあり、「オンデマンドサービス」を利用すれば、顧客がその恩恵を容易に享受できることはまちがいない。仮想化に向いたシステムであれば、既存のシステムを移行するにも十分メリットはあるが、仮想化されたサーバーであれば、システムリソースを柔軟に活用可能になるため、顧客の発注から短期間で納入可能となる。その利点を活かせば、このサービスは、突発的なプロジェクトや短期契約でスポット利用にも適している。

たとえばキャンペーンサイトの提供で、一時的にシステムのアクセスが上がるというような場合、一定期間、負荷分散できるシステムを用意しておいて、そのときにオンデマンドサービスを利用した分だけ課金する形態が考えられるだろう。

オンデマンドサービスの活用例
図2 オンデマンドサービスの活用例

仮想化技術の普及によって、データセンター自身のサービスも変貌しつつあるのではないだろうか。同社の松木取締役によれば「ソフトウェアの世界でERPパッケージをカスタマイズして顧客に提供するように、インフラの世界でもそうしたサービスが必要となっています」という。同社のオンデマンドサービスは、「標準的なサービスをカスタマイズして、リーズナブルなコストで品質の高いサービスをお客様に提供する」インフラの標準パッケージなのである。
(編集部 土屋)

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