データセンター・サーバールーム向けアセスメントサービス

株式会社エーピーシー・ジャパン
http://www.apcc.com/jp/s/service/assessment_service.cfm
サーバールームの管理・運用の最適化をアセスメントする

text:渡邉利和

さまざまなアセスメントサービス

エーピーシー・ジャパン(以下APC)では、「データセンタ・サーバールームの管理・運用を最適化する」アセスメントサービスを提供している。メニューとして用意されているのは、表1に示す5種類だ。ここでは、ユーザーからのニーズも高いという「数値流体力学(CFD)を用いたデータセンタ空調解析」を中心に、APCの取り組みを紹介していく。

表1 データセンターアセスメントサービス
表1 データセンターアセスメントサービス

いずれのサービスも、サーバールームのフロアの上に設置される設備や機器を主な対象としているが、あえてAPC製品にこだわることなく、中立な立場(ベンダニュートラル)で顧客に問題点の可視化と最適な解決方法を提供するのが特徴だ。建物の構造や建築設備については既存のものを使わざるを得ないが、そこに設置する電源や空調、ラックやその周辺設備などは自由に変更可能な状況は決して珍しいものではない。むしろデータセンター事業者からフロアを借りるという形態であれば通常はこうしたスタイルになるため、特にAPC製品のユーザーでなくとも、多くのユーザーにとって現実的かつ有用なサービスとなるはずだ。

APCは米国を中心に全世界で事業を展開しており、アセスメントサービスに関しても、こうした世界各国での経験を踏まえた内容になっている点も重要だろう。

APCのデータセンターソリューションにおける根本的なコンセプトはモジュール化だ。同社のデータセンター関連製品は“Data Centers on Demand”を標榜しており、必要に応じて段階的に拡張可能なデータセンターを実現するために、標準化された機能モジュールを必要なだけ組み合わせるというアプローチをとる。標準化されたモジュールの組み合わせによって低コストで高性能なシステムを実現するという考え方は、IAサーバーでも大成功を収めたとおり、現在のITシステムでの主流となっている。量販効果による価格の低減と、ユーザー数/ベンダ数がともに増えることによる進化の加速といった多くのメリットがあるのは周知の通りだ。

アセスメントサービスに関しても、実は事情は似通っている。機材や設備に標準化されたモジュールを利用しているのであれば、関連するサービスもそのモジュールに対応した標準化されたサービスで問題ないだろう。全世界でこうしたサービスが利用されていれば、膨大な数のユーザーのデータセンターで実地に得られたノウハウが蓄積され、急速にサービス品質が向上していくことが期待できる。日本に固有の事情/状況というものも確かに存在するが、IT機器に関してはほぼ全世界で標準化されている状況であり、その運用環境となるデータセンターに求められる要件も細かい部分での差異はあっても大きくは共通だといってよいだろう。そのため、全世界で実績のある標準化されたサービスが日本国内でも利用可能になることには、大きな意味がある。

解決すべき課題と対応するサービス

現在のデータセンターがさまざまな課題を抱えていることは、多くの人が認識するにいたっている。なかでも深刻なのが、排熱の問題とスペース効率の問題である。

ブレードサーバーは典型的だが、現在のサーバーは急速に高密度化が進行している。プロセッサの世界では、クロック周波数の向上からマルチコア化へとアーキテクチャの大転換が起こった。同時に、電力効率の改善/発熱量の軽減も重要な開発テーマとして浮上したことから、コア数の増加とクロック周波数の低下を同時に行い、トータルでの性能は向上させつつ電力効率を向上させるというアプローチがとられている。しかし、実はシステム全体で見た場合の消費電力は増加している例も少なくない。電力当たりの処理性能は目覚ましい向上を示しているのだが、一方でシステム全体での処理性能も急激に上がっており、結果として消費電力はなかなか減らない状況になっている。処理性能の向上を活かしてサーバーの台数を減らす動きも見られるが、現状ではサーバーの消費電力は大きくは減らず、むしろ増加ペースは多少鈍化したものの以前として右肩上がりのトレンドにあると見るべきだろう。

一方、首都圏を中心にスペースのコストが極めて高い日本では、データセンターの高密度化はコスト削減に直結する。そのため、ブレードサーバーのような高密度サーバーの需要もあるのだが、一方で高密度実装によって局所的な発熱量が増大するという問題も抱えている。現実には、ブレードサーバーを設置することでラックの発熱量が増大して冷却が追いつかなくなったため、ブレードサーバーの周辺から他のサーバーを撤去し、ゆったりとしたスペースを確保することで冷却能力を確保したという、あまり笑えない話も聞くほどだ。ブレードサーバーの導入で高密度化したつもりが、実際には従来よりも広いスペースを必要とすることになり、空間利用効率が逆に低下することも起こりうる話なのである。

APCのアセスメントサービスでは、電源周りおよび冷却/気流の分析と可視化が中核となっており、データセンター/サーバールームにおける幅広い熱問題に対応して現状の問題点の指摘や解決のための推奨事項を提供している。たとえばそれは、ブレードサーバーの導入の際に直面するような、局所的な熱集中といった問題解決に直結するサービスでもある。

CFDの活用

サーバールーム内の温度/気流の分布の分析手法として、CFDを活用することが一般的になってきている。APCでも増大する熱問題への対策として、CFDによる解析を取り入れている。

CFDを利用すれば、サーバールーム内の熱分布を3次元のビジュアルイメージとして確認できるため、局所的な高熱分布(ホットスポット)の存在を明らかにしたり、冷却気流の流れを可視化することで、冷気の無駄な回り込みや遮断といった状況も把握することができる。APCのアセスメントサービスでは、サーバールームに新規にラックを増設した場合や配置を変更した場合に気流や温度分布がどう変化するかを事前にシミュレーションするなど、さまざまな用途にCFDを活用する(画面1)。

画面1 CFDによる気流シミュレーション
画面1 CFDによる気流シミュレーション (出典:エーピーシー・ジャパン)

CFDによる解析では、まずサーバールーム内の温度分布や気流の状況を実測し、このデータに基づいてソフトウェアによる解析を行う。データの精度が高ければそれだけシミュレーション結果もより現実に近いものになり、物理的な実測が極めて重要となる。APCでは、ラックごとに高さを変えて3個所ほど(一般的には上部、中央部、下部)を測定点として、温度や湿度などのデータを計測する。さらに、壁側のエアコンの冷気の吹き出し口や床、天井といった気流の通り道なども測定対象となる。当然、ラックの本数が多いほど測定点も増える。サービスの対価はデータセンターの規模によって変わるが、APCでは主にラックの本数(事実上床面積とほぼ比例するが)を目安としている。おおおそ、20ラックほどで床面積が80~100㎡ほどになり、現地調査には1日を要し、価格は100万円からという規模感だが、CFDライトやサーマルスキャン・ライトとといったパッケージ化されたサービスは、より低価格で提供されている。

このほか、空調の吐出風量を測定するための風量計やサーモグラフィといった測定器などを活用し、データセンターの現状を詳細に把握する。サービス提供に要する期間は、正式発注からおよそ4週間となっている。

さまざまな視点からのアセスメント

データセンターにおけるアセスメントサービスでは、どうしてもCFDに注目が集まりがちだが、CFDは万能ではないし、CFD以外の手法が有効性を失ったわけでもない。CFDには、本来目には見えない気流の様子や熱分布を可視化してくれる点でインパクトがあるし、サーバールーム内のダイナミックな環境を理解する上で極めて効果的なツールであることは間違いない。とはいえ、現実のサーバールームには、CFDを使わずとも改善可能な問題点がさまざまに存在しているのが実情だ。

APCのアセスメントサービスのユニークな点は、ブランクパネルの装着やワイヤリングといった、従来は現場の細かいノウハウとされていたような部分までを視野に入れ、データセンターの物理的なインフラをきめ細かくカバーしているところだ。しかも、そのノウハウは全世界で共通のモジュールを利用しているところから得られた普遍的なものであり、効果が保証された「ベストプラクティス」なのだ。経済環境が厳しさを増すなかで、データセンターの運営にもさらなる効率改善が求められている。自社の力だけではこれ以上の改善は難しいと思っても、第三者の冷静な視点で見直すと、要改善点がさらにいくつも見つけられるかもしれない。グローバルスタンダードに基づくAPCのサービスは、こうした「第三者視点」をもたらすうえでも効果の高いものだと言えるだろう。

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