冗長化電源搭載、iSCSI対応、1U4スロットNAS 【ReadyNAS 3100】

ネットギアジャパン株式会社
http://www.netgear.jp/products/details/RNRP4410.html

1996年にBay Networks(後にNortelに買収)のSOHO向け製品部門として設立されたNetgearだが、2002年に完全独立。ネットワーク機器会社としてNASDAQに上場している。創立のいきさつもあり、当初はエントリー向けの製品を中心としていたが、徐々に製品ラインアップを拡充している。ネットワーク接続型ストレージについても、2007年3月にInfrant社を買収、個人向けからラックマウント型まで豊富なラインアップを完成させつつある。

Ready NAS2100からの拡張ポイント

このReadyNAS 3100は、1Uラックマウントサイズに4台の3.5インチ SATA HDDをインストール可能なネットワーク接続型ストレージ(NAS)で、2010年9月に発表された製品だ。かねてよりの特徴である自由度の高いNAS構成に加え、iSCSIのターゲットとしても利用することができる。2009年に発表されたReadyNAS 2100の上位にあたる製品で、性能と冗長性を強化した製品だが、本格的なデータセンター向けというより、小規模なオフィスあるいは社内データセンター向けの製品となっている。

ハードウェア面での最大の違いは、シャーシサイズが奥行き650mmのフルサイズになったこと。ReadyNAS 2100は奥行き318mmのハーフサイズだった。これに伴いReadyNAS 3100は電源ユニット(450W、ホットスワップ対応)が二重化され、電源の障害発生時にもシステムを停止することなく電源ユニットを交換することが可能になっている。内蔵する4台分のドライブベイはホットスワップ可能で、専用のマウンタを用いて3.5インチSATAドライブをマウントする。

性能面で最も寄与する変更は、プロセッサにIntelのPentium E5300を採用したことだ。ReadyNAS 2100では、ストレージ用に開発されたIntelのSoCチップを使っており、メモリ搭載量も1GB(ECC付き)だったが、ReadyNAS 3100ではデュアルコアプロセッサへとアップグレードされたうえ、メモリ搭載量も2GB(ECC付き)へと拡張されている。このプロセッサの変更により、IOPSが80%高速化したほか、データ転送速度もReadyNAS 2100の80Mbpsから115Mbpsへと向上している。また、内蔵のバックアップマネージャによるシステムのバックアップも高速化されている。

この2つの変更を除くと、ReadyNAS 3100の構成はほぼReadyNAS 2100を踏襲したものになっている。拡張やシステムのバックアップにも利用可能な3ポートのUSB 2.0ポート、2つのギガビットイーサネットポートは、ReadyNAS 2100と変わらない。USBポートには、外付けHDDを接続し、バックアップに利用することが可能だが、こうしたラックマウント型ストレージでこの機能を備えるのはSMBを考えてのことというより、もともとSOHO向けに開発されたReadNASソフトウェア(RAIDiatorオペレーティングシステム)の特徴を継承したことによるものだろう。ただし、ReadyNAS 2100ではサポートされていたプリンタやデジタルカメラの接続機能は本機では廃止されており、企業向けという色彩が強くなっている。

2ポート用意されたギガビットイーサネットポートは、それぞれをLANアクセス(クライアントアクセス)用と、SANアクセス用に利用することが可能なほか、2ポートをまとめてIEEE 802.3adのリンクアグリゲーションとして利用することで、帯域の拡張や耐障害性を持たせることもできる。

写真1 RedyNAS 3100 正面(出典:ネットギアジャパン)
写真1 RedyNAS 3100 正面(出典:ネットギアジャパン)
写真2 RedyNAS 3100 背面(出典:ネットギアジャパン)
写真2 RedyNAS 3100 背面(出典:ネットギアジャパン)

独自のRAID機能

一方ソフトウェアは、買収したInfrantが開発したRAIDiatorを継承したものだ。特徴は、柔軟なRAID構成をサポートしている点だ。ReadyNASシリーズは、基本的に2つのRAIDボリュームをサポートしている。1つは通常の(業界標準の)RAID 0、1、5、6をサポートするFlex-RAIDボリューム、もう1つがNetgear独自のX-RAID2ボリュームだ。ReadyNASシリーズでは、ボリュームをどちらかのモードで利用し、iSCSIで利用するボリュームも、いずれかで確保したRAIDボリューム上に一定の領域を確保する形となる。

Flex-RAIDボリュームの特徴は、1つのボリューム上に複数のRAIDアレイ(たとえば2台をRAID 0、2台をRAID 1等)に設定可能であることで、複数のRAIDアレイを構成する代わりに、ディスクをホットスペアとしておくことも可能だ。

X-RAID2ボリュームは、自動拡張をサポートしたReadyNAS特有のRAID技術で、冗長性を持たない1台からスタートして、2台、3台と冗長性を持たせながら、RAIDボリュームを拡張していくことができる。また、筐体の上限(本機の場合なら4台)までHDDを搭載した後も、より容量の大きなドライブに交換することで、RAIDボリュームの容量を自動拡張していくことが可能だ。

一般的なRAIDシステムでは、容量を拡張する場合、事前にデータをバックアップし、同じ容量のHDDをRAIDアレイに必要な数だけ用意し、ドライブをインストールした後、RAIDアレイを再構築し、バックアップしたデータを書き戻す、という手順を踏む。これはかなり時間のかかる作業であり、このような作業をしてアレイを拡張するより、大容量のアレイを新規に追加することを選ぶユーザーが多いのではないかと思われる。

X-RAID2では、容量を拡張する場合、単に大容量のドライブに交換するだけで済む。たとえば1TBのドライブ4台で構成されたアレイの場合、そのままドライブを2TBのものに交換すれば良い。1台交換した時点では容量は拡張されないが、2台目を交換した時点から容量の拡張が自動的に行われる(前世代のX-RAIDでは4台とも2TBに交換した時点で容量が拡張された)。

この作業の過程において、バックアップやレストアが不要であるのがX-RAID2の特徴である。ディスクを交換していくだけで、ボリュームの拡張やデータの移行はすべてX-RAID2が自動的に、内部ストレージだけを用いて処理する。物理的なドライブの交換を伴う拡張は、大規模なデータセンターでは現実的ではないかもしれないが、SOHO/SMB、あるいは支所/支社に設置する小規模ストレージとしては、運用上利便性が高いのではないかと思う。

このX-RAID2は、冗長性のない1台からスタートして、2台(冗長性サポート、容量拡張なし)、3台(冗長性サポート、使用可能容量は2台分)、4台(冗長性サポート、使用可能容量は3台分)と拡張していくことができる。2台ではRAID 1相当の冗長性で、それ以降はRAID 5相当の冗長性(HDD1台の障害に対応)がサポートされる。

こうしたRAID構成の柔軟性に加え、ReadyNASシリーズは、AddOnを追加し、実行することで、後から機能を拡張することが可能だ。また、そうした拡張機能の一部は、新しいRAIDiatorソフトウェアで標準機能として組み込まれるようになったりもしている。その例の1つがRemoteアクセス機能で、本機では付属のリモートアクセス機能(ReadyNAS Remote)と、対応するクライアントソフトウェアを利用することで、VPNなどを利用しなくてもセキュアなリモートアクセスを行うことが可能だ。

また、バックアップに関連した豊富で、ReadyNASのデータを別のReadyNASにスケジュールにしたがって複製する機能、クライアントPCやMacのデータをReadyNASにバックアップする機能を標準で備える。さらにオフサイトバックアップオプションとして、ReadyNAS Vaultも用意される。ReadyNAS Vaultは、VAULTSERVICESが提供する外部(オフサイト)バックアップのサービスを利用するもので、ReadyNAS 3100の場合、購入後1年間、100GBのデータを無料でオフサイトバックアップすることが可能だ。

ディスク1台から始められるスモールスタートが可能なこと、その後の拡張に関してユーザーの負担が少ないことなど、ReadyNAS 3100は、SOHO/SMBに適したNAS/iSCSIシステムとなっている。冗長電源や高性能プロセッサの採用により、下位のReadyNAS 2100に対し価格が約2倍となってしまったが、逆に言えばこうした機能や性能が要らないのであれば、ReadyNAS 2100を選べば良いということである。ストレージのネットワーク化を考えるSOHO/SMBにとって、使いやすい製品といえるだろう。

表1 ReadyNAS3100の仕様
表1 ReadyNAS3100の仕様
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