~オープンソースクラウドの興隆~ CloudStackで知る、クラウド基盤導入実践

データセンター完全ガイド 2011年秋号(2011年9月30日発行)掲載
文:雲屋株式会社 取締役会長 鈴木 逸平
文:クリエーションライン株式会社 エンジニア 遠山 朝子

クラウド基盤導入の動向・課題

近年、Amazon Web Services(以下AWS)をはじめ、RackSpace Hosting社、GoGrid社といった、クラウド基盤サービスが多数登場し、注目を集めています。これらのクラウドコンピューティング市場は、AWSが2006年に登場して以来、同社のサービスが市場を牽引し続けており、AWSが提供している機能の範囲、ユーザー数において、他のサービスプロバイダを凌駕しており、市場での首位の座を堅持し続けています。そのため、AWSがクラウドコンピューティングを牽引し、多くの価値を市場にもたらした功績を評価する一方、AWSの独自仕様を中心としたAPIが、ロックインを生む要因になるといった危惧も指摘されはじめています。

そこで注目され始めたのがクラウドAPIです。AWSも自社のクラウドAPIを公開、提供しており、同社のエコシステムと呼ばれる、多数のサードパーティアプリケーションベンダーは、このAPI仕様に基づいてAWSの付加価値アプリケーションサービスを開発し、提供しています。市場をリードするAWSの提供するクラウドAPIに続く形で、他のクラウドサービスを提供するベンダーも、類似の仕様のクラウドAPIを提供しています。

図1では、AWSの提供するクラウドAPIに対して、互換性を持つAPIを提供するベンダーと、独自仕様のAPIを提供するベンダーとに分類しています。この図を見て分かるとおり、現状ではさまざまな仕様のAPIが乱立している状態です。また、標準化が進んでいない中で、OpenStackと呼ばれる、RackSpace社が主体となって推進しているクラウドOSやクラウドAPIの業界標準を進めるプロジェクトもあり、今後まだまだ動きが激しくなることが予想されています。

図1 クラウドAPIのサポート概要
図1 クラウドAPIのサポート概要

OpenStackを始め、クラウドのエコシステムを形成しているベンダーの多くは、オープンソースソフトウェアベースの開発を行っている企業が多く、今後もその文化を引き継ぎ、コミュニティを軸としたビジネスモデルの展開が予測されます。

このような非常に競争の激しいクラウドAPIの市場の中で、将来を見据え、適切なサービスや技術を選択するのは非常に難しいことですが、おそらく今後のクラウド利用環境は、AWSだけを使うようなものではなく、複数のクラウドのそれぞれの特長を活かした、マルチクラウド環境になると予想されます。プライベートクラウドもその一環として最近は活発に議論されています。ただし、このようなマルチクラウド環境を作り上げるためには、それぞれのクラウド環境のAPIを統一することが、重要な前提条件になります。

マルチクラウド環境では、クラウド間のユーザー資産(データ、アプリケーション)の移動、多重化、バックアップなど、企業のIT運用面での効果はよく議論されていますが、それを実現するためのクラウド間のインターフェイスとして、OSやVMのインターフェイスではなく、クラウドAPIが重要な役割を持ちます(逆にOSやVMのインターフェイスの違いは吸収されることになります)(図2)。さらに、実際にプライベートもしくはパブリッククラウド環境で企業のIT運営を行うとなると、そのクラウドAPIのみならず、広い範囲での管理ツールが必要になってきます。

図2 マルチクラウド管理
図2 マルチクラウド管理

図3にその管理ツールを簡単に分類したものを示します。それぞれの企業がクラウド上に自社業務を移行する場合には、これらの管理ツールを整備する必要があります。

図3 管理ツールの分類
図3 管理ツールの分類
  • インフラ管理:仮想化環境上で行われる仮想マシンの管理を効率よく行うためのさまざまなツール。特に企業にとってコンプライアンス上の条件となる、バックアップ、DR/HA対策、I/O仮想化、メモリの仮想化などの技術。
  • ユーザー管理:クラウドを利用するユーザーを管理する機能群で、ID管理を始めとしたセキュリティ関連のコンポーネント、課金などの機能を提供するサードパーティ機能など。
  • クラウドサービス管理:PaaSの提供やSaaSアプリのサポート、ハイブリッドクラウドを管理するインターフェイスなど、多くのサードパーティベンダーとの連携機能。いずれも市場にすでに多数のベンダーが登場しており、特にAWSにおいては、非常に多数のベンダーが事業を展開している。

クラウド基盤の選択ポイント

これまでの内容を踏まえて、企業がクラウド基盤を選択する際の要件を整理すると、次の3つの観点が重要となってきます。

  1. クラウドプラットフォームの上のエコシステムの充実度

    クラウドサービス、ユーザー管理、インフラ管理などを提供するサードパーティ企業が充実しており、また、企業ユースに必要十分な機能が提供されていること。

  2. マルチクラウド運用の親和性

    AWSを代表としたパブリッククラウドとの親和性を持つこと。さらに、構築したプライベートクラウドとの間での企業資産の交換が比較的簡単にできること。

  3. 強いコミュニティに支えられていること

    元来クラウドはユーザー主導の技術ソリューションであるため、コミュニティの存在意義は大きい。また、コミュニティ活動と深く関与することにより、特定のベンダーロックインを防止する効果がある。

これらの3つの条件をクリアしているクラウド基盤技術を選択することが、今後のマルチクラウド、ハイブリッドクラウド運用の時代に向けて、スムーズに企業のIT運用を移行する近道といえます。今回紹介するCloudStackは、これらの観点から見て評価が高く、今後も期待される技術として大手のパブリッククラウド環境のみならず、プライベートクラウドでも採用が多くなると予想されています(8月29日に、CitrixはCloudStackをすべてオープンソースにすることを発表しています)。

CloudStackの概要

CloudStackは、Cloud.com社が提供するオープンソースベースのIaaSクラウド構築用のソフトウェアで、Citrix Systems社によるCloud.com社の買収により、現在は、Citrix Systems社により開発と提供が行われています。

CloudStackは管理サーバーとホストにインストールされたハイパーバイザからなり、管理サーバーにより仮想化環境のリソース管理(ホスト、ストレージ、IPアドレス)が行われます。管理サーバーはWeb UIを通してユーザー・管理者が仮想ホストを配置することを可能にします。

CloudStackを利用することで、ユーザーや管理者向けのWeb UIの提供、システム全体のリソース管理、仮想ホストのライフサイクル管理、仮想ホストへのディスク(ストレージ)、IPアドレスの割り当てのほか、テンプレート、ISOイメージ、スナップショットの管理や、ファイアウォール、ロードバランサーの提供などが可能になります。

ハイパーバイザとしては、KVM(RHEL/CentOS)や、Citrix XenServer 5.6、VMware vSphere ESXi 4.1に対応しており、今後 Hyper-Vにも対応予定です。CloudStackを利用することで、自前のサーバーやストレージを利用し、IaaS環境を素早く構築できます。

CloudStackの海外の採用事例としては、Zynga社「Z Cloud」、Tata Communications「Instacompute」、KT「KT ucloud」など、大規模なソーシャルゲームサービスから、信頼性を重視する通信事業者など幅広い企業で採用されています。また国内でもIDCフロンティア 「NOAH Platformサービス」、北海道大学「北海道大学アカデミッククラウド」といった、先進的でありながら、実用性を重視したシステムに採用されています。「NOAH Platformサービス」では、CloudStack環境にユーザー向けのポータルを追加することで、利用者自身での利用登録や課金状態の確認、API公開によるクラウドサービス全体の統合管理が可能になる予定です。

CloudStackの主要な機能

このようにCloudStackを利用することで、素早くプライベートクラウドやクラウドサービスを構築し提供することが可能になります。以下に、CloudStackの主要な機能を簡単に紹介します。

  • マルチテナント管理

    共通リソースを複数の代理店(テナント)に対してセキュアに割り当て、管理することができます。

  • マルチハイパーバイザ対応

    複数のハイパーバイザに対応しており、必要に応じて適したハイパーバイザを選択することが可能です。

  • 規模拡張性と可用性

    地理的に分かれた複数のデータセンターの何万台ものサーバーを管理対象にすることができます。また、クラウド全体に障害が影響するような単一障害点を持たないように設計されています。

  • 柔軟なサービス管理

    管理者が仮想マシンに割り当てられるCPU、メモリ、ストレージ容量などの計算機リソースをサービスごとに柔軟に定義することが可能です。また、各々のユーザーのリソース利用状況を計測(メーターリング)し、情報提供することも可能です。

  • リソース管理と自動プロビジョニング

    計算機リソースのプールを管理し、要求に応じてユーザー用の仮想マシン用のネットワーク、ストレージ、認証を自動的に設定します。また、スイッチ、ルーター、ファイアウォール、ロードバランサーなどのネットワーク構成も自動的に設定します。不正アクセス防止、負荷分散に加え、VPNアクセス、VMコンソール画面表示も提供します。

  • カスタマイズ可能なアロケーションアダプタ

    ユーザーが仮想マシンの作成を要求した際に、どの物理サーバー、ストレージを利用し起動するか決定するためには、アロケーションアダプタが利用されます。このアロケーションアダプタは、カスタマイズすることもできます。

  • API提供

    ユーザー/管理者用のREST形式のAPIを提供しています。業界で標準的なAmazon EC2/S3互換のAPIも提供されており、今後、vCloud APIも実装される予定です。

CloudStackのインストール

CloudStack Community Editionのインストールから最初の設定についてまでを説明します。

CloudStack構成

CloudStackの大まかな構成は以下のようになります。

  • 管理サーバー
  • ホスト
  • プライマリストレージ
  • セカンダリストレージ
  • データベースノード

管理サーバーは、RedHat Enterprise Linux 5.4以上、CentOS5.4以上、RedHat Enterprise Linux 6以上に対応しています。いずれも64bit OSである必要があります。

ホストはゲストOSを起動する仮想環境です。CloudStack Community Editionは、Citrix XenServerおよびKVMに対応しています。ちなみに商用バージョンであるCloudStack Enterprise Editionは、日本でもユーザーが多いVMware ESX/ESXiをサポートしています。

プライマリストレージは、起動した仮想インスタンスイメージを保存します。セカンダリストレージは、ユーザーが取得するインスタンスのスナップショットやテンプレート、ISOイメージを保存します。プライマリストレージには、iSCSIまたはNFSサーバーを用意します。セカンダリストレージはNFSサーバーを用意します。データベースノードはMySQLを使用します。

インストールテスト用として、管理サーバーとデータベースノードは同一の物理マシンで走らせることとします。また、テスト用ということでサイジングやパフォーマンスの問題を考慮しなければ、プラマリストレージとセカンダリストレージを同一のNFSサーバーを使用することも可能です。つまり、最低でもLinuxマシンを1台、NFSサーバーを1台、仮想環境を1台用意すれば、CloudStack環境の作成が可能です。

インストールの前準備

ダウンロード

CloudStack Community Editionはオープンソースなのでソースコードも公開されていますが、以下に示すサイトから、バイナリパッケージも入手できます。

ここではバイナリパッケージをダウンロードした場合のインストールについて説明します。2011年8月の時点での最新バージョンはCloudStack Community Edition 2.2.9です。

事前確認 (インターネット接続)

管理サーバーをインストールするマシンに、ダウンロードしてきたファイルを解凍すると展開されたディレクトリの最上位ディレクトリにinstall.shというシェルスクリプトが用意されています。CloudStackのインストールには、このinstall.shを使用します。

install.shはyumコマンドを使用して必要なパッケージをインストールします。一部はyumレポジトリから、一部の動作に依存性のあるパッケージは、CloudStackバイナリパッケージに含まれたローカルのrpmファイルからインストールされます。install.shは足りないパッケージを自動でインストールしてくれるので、事前にパッケージインストールのチェックは必要ありませんが、インターネットに接続できる環境で作業する必要があります。

事前確認 (使用ポート)

管理サーバーをインストールしたマシンは、以下のポートを使用します。ポート使用がバッティングしてないか、事前に確認します。

8080(HTTP):管理サーバーが提供するWeb GUIに使用
8250(TCP):管理サーバーとシステムVM(後述参照)間通信に使用
9090(TCP):管理サーバーのハイパーバイザコンソール画面表示用に使用

また、管理サーバーからホストへも通信を行います。そのときに以下のポートを使用しますので、ホストに使用する仮想環境の接続設定も確認を要します。使用する仮想環境によって以下のポートで接続可能かを確認してください。

XenServer:22(ssh)、80(HTTP)
KVM:22(ssh)

事前確認 (NFS接続)

CloudStack管理サーバーは、プライマリストレージおよびセカンダリストレージをマウントして操作を行います。

インストール前に、管理サーバーをインストールするマシンから、NFSマウントが可能なことを確認してください。管理サーバー側のマシンにプライマリストレージ用とセカンダリストレージ用のマウントポイントを作成しておきます。NFSエクスポートのオプション設定は以下のとおりとし、/etc/exportsに記述します。

<エキスポートディレクトリ> <公開先ホスト> (rw,async,no_root_squash)
例: /export 192.168.0.0/255.255.255.0 (rw,async,no_root_squash)
/etc/exportを変更したら、exportfsやnfsの再起動を実施しておきます。

selinuxのモード設定

管理サーバーをインストールするマシンに、selinuxがインストールされていれば、permissiveモードに設定しておきます。以下のコマンドを実行します。

# setenforce permissive

setenforceコマンドは再起動すると無効となりますので、永続的に設定するには、/etc/selinux/configに以下の行を記述します。

SELINUX=permissive

インストール

管理サーバーのインストール

上で説明したinstall.shを実行します。以下のメニューが現れます。

Setting up the temporary repository… Cleaning Yum cache…
Loaded plugins: fastestmirror
0 metadata files removed
Welcome to the Cloud.com CloudStack Installer for opensource version. What would you like to do?
M) Install the Management Server
A) Install the Agent
D) Install the database server
Q) Quit
>

Mを入力して、Install the Management Serverを開始します。管理サーバーインストールを終了するとinstall.shは終了してしまうので、もう一度install.shを実行し、Install the database serverを実行します。MySQLがインストールされます。処理はyumでMySQLをインストールしているだけで特別なことはしていません。もしMySQLがインストール済みならInstall the database serverは実行する必要はありません。

インストールが終了すると/usr/binにCloudStackのコマンドがインストールされます。これらのコマンドを使用してポストインストレーション作業を実施します。

まず、データベースの設定です。

#cloud-setup-databases cloud:password@localhost --deploy-as=root<:password>

<:password>は:デリミッタで、MySQL管理ユーザーrootのパスワードを指定します。rootパスワード未設定の場合は指定しなくて構いません。

上記コマンドは、MySQLを起動し、MySQLの管理ユーザーrootでcloudユーザー作成(パスワードはpassword)、cloudデータベースを作成、その後テーブル作成などを実施します。

# cloud-setup-management

このコマンドでは、マシン環境をチェックし、iptables編集などの管理サーバー起動設定を実施します。その後、管理サーバーを自動起動します。

管理サーバーのデーモン起動スクリプトが、/etc/init.dに作成され、ランレベル4のサービス自動起動に設定されます。管理サーバーの起動・停止はserviceコマンド経由か、/etc/init.d以下のスクリプトファイルを実行します。

エージェントのインストール

ホストにKVMを選択した場合、KVMの管理を行うためにCloudStackエージェントのインストールが必要になります。

KVM環境に管理サーバーで使用したのと同じバイナリパッケージをダウンロードし解凍します。install.shを実行し、Install Agentを選択し実行します。

Citrix XenServerの場合は、提供されているXenServer API経由で管理サーバーがマネージメントを行うため、CloudStackエージェントプログラムのインストール作業は必要ありません。

システムVMテンプレート

CloudStack管理サーバーは、リソース管理に使用する専用の仮想インスタンスを立ち上げ、この仮想インスタンスとやりとりをしながら、ホストを管理します。マニュアルにはSystem VMと記述されています。システムVMにはConsole Proxy VMとSecondary Storage VMがあります。Console Proxy VMはハイパーバイザのコンソールとCloudStack Web GUIの間のインターフェイスを担当します。Secondary Storage VMは仮想リソースとハイパーバイザ間の管理を行います。

先に記述したように、セカンダリストレージはテンプレートの保存場所になります。システムVM起動を可能にするために、セカンダリストレージにシステムVMテンプレートをインストールします。

コマンドは管理サーバーにインストールされているため、まずは、保存先のセカンダリストレージをマウントしておきます。管理サーバーから、以下のコマンドを実行し、システムテンプレートをセカンダリストレージにインストールします。

  • Citrix XenServerの場合
    # /usr/lib64/cloud/agent/scripts/storage/secondary/cloud-install-sys-tmplt -m <セカンダリストレージマウントポイント> ¥
    -u http://download.cloud.com/releases/2.2.0/systemvm.vhd.bz2 -h xenserver -F
  • KVMの場合
    # /usr/lib64/cloud/agent/scripts/storage/secondary/cloud-install-sys-tmplt -m <セカンダリストレージマウントポイント> ¥
    -u http://download.cloud.com/releases/2.2.0/systemvm.qcow2.bz2 -h kvm -F

システムVMテンプレートのインストールが終了後、セカンダリストレージをアンマウントしておきます。

CloudStack初期設定

管理サーバーログイン

管理サーバーはtomcatのWebアプリケーションとして動作しています。管理サーバーを起動するには、次のコマンドを実行します。

# /etc/init.d/cloud-management start

以下のURLにアクセスします。

http://<管理サーバーのIPアドレス>:8080/client/

ログインダイアログが現れます(画面1)。デフォルトの管理ユーザーadmin、パスワードpasswordでログインします。ドメイン指定は空白のままで結構です。ドメインを指定しない場合、ROOTドメインへログインします。まだドメインを作成していないので、初期状態ではROOTドメインしか存在していません。

画面1 ログインダイアログ
画面1 ログインダイアログ

ログイン後、最初の設定を行います。初期設定の流れは以下のようになります。

Zone、Pod

Zoneは1つのデータセンターを設定するイメージです。Podは該当データセンターのラック設定のイメージです。最初にZone、次にPodの順番で設定していきます。

画面左ペインのメニューから「システム」メニューにフォーカスすると、▽のアイコンがメニューに現れますので、それをクリックします。サブメニューの「物理リソース」をクリックします。すると右のペインにZone、Pod、クラスタ、ホスト、プライマリストレージの作成数が表示されます(画面2)。

画面2 Zoneの作成
画面2 Zoneの作成

その状態で、メインウィンドウの上部にある「Zone追加」のボタンをクリックすると、Zone作成ウィザードが始まります。

  • 「Zone追加」ウィザード ステップ1

    ネットワークモード設定を行います。テストなのでシンプルな「基本モード」を選択します(画面3)。

    画面3 ネットワークモードの設定
    画面3 ネットワークモードの設定
  • 「Zone追加」ウィザード ステップ2

    Zoneの設定を行います(画面4)。

    画面4 Zoneの設定ダイアログ
    画面4 Zoneの設定ダイアログ

    名前:任意なZone名
    DNS1:ゲストVMが使用するDNS
    DNS2:ゲストVMが使用するセカンダリDNS
    内部DNS1:システムVM用DNS
    内部DNS2:システムVM用セカンダリDNS
    バプリック:「はい」か「いいえ」を設定

    特に問題なければ、「パブリック」の項目は「はい」を指定してください。これはCloudStack内のすべてのユーザーに該当Zoneを公開するか、否かの設定です。セカンダリDNSは、「DNS2」「内部DNS2」ともに空白でも構いません。

  • 「Zone追加」ウィザード ステップ3

    Podの設定を行います(画面5)。

    画面5 Podの設定ダイアログ(1)
    画面5 Podの設定ダイアログ(1)

    名前:任意な Pod名
    ゲートウェイ:Pod内のホストが使用するゲートウェイ
    予約済みシステムIPアドレス:該当Podで使用するシステム用IPアドレスレンジ

    「予約済みシステムIPアドレス」とは管理サーバーがシステムVMに使用するIPアドレスレンジです。

  • 「Zone追加」ウィザード ステップ4

    ステップ4になってもPodの設定が続きます(画面6)。

    画面6 Podの設定ダイアログ(2)
    画面6 Podの設定ダイアログ(2)

    ゲストゲートウェイ:ゲストOS用のゲートウェイ
    ゲストネットマスク:ゲストOS用のネットマスク
    ゲストIP範囲:ゲストOS用のIPアドレスレンジ

    最後に「送信」ボタンをクリックし、ZoneとPodの作成は終了です。

クラスタ、ホスト

クラスタを作成します。クラスタは、ZoneやPodと違って、CloudStackのホストやプライマリストレージの管理単位です。

左のペインの「物理リソース」メニューから▽をクリックすると先ほど作成されたZoneが参照できます(画面7)。その下のPodを選択すると、右のメインウィンドウの上部に「クラスタ追加」のメニューが表示されますので、これをクリックします(画面8)。

画面7 クラスタの作成
画面7 クラスタの作成
画面8 クラスタ追加ダイアログ
画面8 クラスタ追加ダイアログ

ハイパーバイザ:使用するハイパーバイザ種別を指定
Cluster:任意のCluster名

「Add」ボタンをクリックして終了です。

次にホストを作成します(画面9、画面10)。

画面9 ホストの追加
画面9 ホストの追加
画面10 ホストの追加ダイアログ
画面10 ホストの追加ダイアログ

クラスタ:先ほど作成したCluster名
ホスト名:仮想環境マシンのIPアドレスまたはホスト名
ユーザー名:XenServerかKVMの管理ユーザー
パスワード:上記ユーザーのパスワード
ホストタグ:未指定(空白のまま)

CloudStackでは、サービスオファリングという機能でユーザーへのCPUやメモリ割り当てのルールを設定できます。そのとき、「ホストタグ」でタグ付けされたホストとサービスオファリングのルールがリンクされます。今回はサービスオファリングを指定しないため、空白のままで結構です。

「Add」ボタンをクリックして終了です。

プライマリストレージ、セカンダリストレージ

プライマリストレージを追加します。ストレージはクラスタを作成しホストを追加するまで、設定することはできません。

同じく左ペインのメニューから、「システム」→「物理リソース」→「Zone」→「Pod」→「クラスタ」と選択すると右ウィンドウの上部に「プライマリストレージ追加」のメニューが表示されますので、該当メニューをクリックすると、ダイアログが表示されます(画面11)。

画面11 プライマリストレージの追加ダイアログ
画面11 プライマリストレージの追加ダイアログ

クラスタ:先ほど作成したCluster名
名前:任意のプライマリストレージ名
プロトコル:今回の場合はNFSを選択
サーバ:プライマリストレージサーバーのIPアドレス
パス:プラマリストレージマウントポイント
ストレージタグ:未指定(空白のまま)

ストレージタグはストレージデバイスのスーパーセットを指定できます。複数のストレージデバイスを管理するときなどに使用しますが、今回はインストールテスト用なので空白のままとします。

セカンダリストレージを追加します。

同じく左ペインのメニューから、「システム」 → 「物理リソース」 → 「Zone」を選択すると、右ウィンドウの上部に「セカンダリストレージ追加」のメニューが表示されますので、該当メニューをクリックすると、ダイアログが表示されます(画面12)。

画面12 セカンダリストレージの追加ダイアログ
画面12 セカンダリストレージの追加ダイアログ

NFSサーバ:セカンダリストレージのIPアドレス
パス:セカンダリストレージマウントポイント

「Add」ボタンをクリックします。

以上で、各種設定は終了です。

システムVMダウンロード

Zoneやストレージ設定が終了すると、CloudStack管理サーバーは、各設定の初期化処理を開始します。ここまでで、Zoneやホストを設定し、「Add」や「送信」ボタンでダイアログを終了させていますが、CloudStackではリクエストを受け付けただけであって、内部処理は完全終了してはいません。

バックグラウンドで動作している初期化処理の概要は以下のとおりです。

  • ZoneにシステムVMテンプレートからシステムVMを作成し起動
  • セカンダリストレージシステムVM起動後、管理サーバーが、download.cloud.comからCentOSのデフォルトテンプレートをダウンロード
  • 該当テンプレートの解凍処理などの初期処理を実施

ダウンロードボリュームのせいもあって、これらの処理に30分以上かかります。しばらくしてから、システムVMが起動していること、セカンダリストレージを参照してCentOSのデフォルトテンプレートが使用可能になっていることを確認できれば、処理は完了です。

上記の初期処理が完了していない場合、ほとんどが、ネットワーク設定の問題であることが多いようです。よくある事象としては、以下のものが挙げられます。

  • セカンダリストレージシステムVMからDNSをクエリーできない
  • セカンダリストレージシステムVMから管理サーバーへアクセスできない
  • セカンダリストレージシステムVMがHTTPプロトコルを使用してdownload.cloud.comへアクセスできない
  • 各マシンで設定されたマシン名あるいはIPアドレスが外部から解決できない

もしZone初期化処理に失敗している場合は、上記内容を確認のうえ、今までの設定を見直してみてください。

以上で、CloudStackが動作する最低限の環境が整いました。インスタンスの起動はWeb GUIのCloudStack Console画面から直観的に実施可能だと思います。そのほか、ユーザーの管理、リソース管理、ネットワーク構成管理など、細かい管理設定が可能なのですが、詳細については、CloudStack Administration Guideを参照してください。ドキュメント類はCloud.com社ウェブページから入手可能です。

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